「International Organization for Standardization」の略号で、日本では「国際標準化機構」と呼ばれている。製品の大量生産と国際貿易の発展に伴い、世界各国が製造した製品に互換性をもたせる必要が生じ、国際標準規格を制定するための機関として1947年に組織化された民間の組織。本部はスイスのジュネーブにあり、加盟国は現在157ヵ国(準会員を含む、08年1月現在)に上る。ISOへの加盟は、各国から一つの標準化機関に限られており、日本からは「日本工業標準調査会」が52年に加盟している。「日本工業標準調査会」はJIS(日本工業規格)マークの表示に関する仕事を行っており、工業国としての実績から理事会の永久構成員としての地位を占めている。
ISO規格は今日までに1万件以上が制定されており、身近な物として、写真フィルムの感度(ISO400)や、非常口のシンボルマークなどが挙げられ、電気の分野を除くあらゆる分野でISO規格が制定されている。ISO規格には、製品に対するハード面の規格と、品質保証システムのようなソフト面の規格の2種類があり、加盟国が国内規格を制定しようとする際に、ISOの国際規格がすでに存在している場合は、国際規格に合わせることが義務づけられている。近年、地球温暖化や廃棄物、海洋汚染などの地球環境に関する問題が大きくクローズアップされ、管理システム規格として87年に品質保証に関するマネジメント規格であるISO9000シリーズが、96年には環境管理の規格であるISO14000シリーズが発行された。また、05年10月には情報セキュリティマネジメントの世界標準としてISO27001が規格化されている。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社