凸版印刷はこのほど、企業メセナ協議会が開催する「メセナアワード2010」で、メセナ大賞部門「印刷文化振興賞」を受賞した。印刷博物館の運営が評価されたもの。
　印刷博物館は、印刷の過去、現在、未来を分かりやすく伝えることを目的に、凸版印刷の創立100周年記念事業として2000年に開館した、印刷に関する本格的な博物館。開館以来、印刷文化を調査・研究するとともに、本展示場や多目的ギャラリースペース「P&Pギャラリー」で企画展・ワークショップを開催、累計の来館者数は2010年９月に30万人を超えている。
　印刷博物館は、印刷技術が急激に変化する中で消滅していく貴重な技術や資料の収集・保存活動を行っており、今回の受賞ではこうした活動の社会的な意義や、印刷文化の一般への普及活動が評価された。なお凸版印刷の受賞は、1996年の「欧米のポスター100」復刻事業による「メセナ国際賞」、2002年のコンサートホール「トッパンホール」運営による「奨励賞」に続き、今回で３回目。
　凸版印刷は、「印刷博物館では印刷文化の調査・研究をさらに深めて“印刷文化学”を確立し、印刷文化の情報発信強化を図る。また、小・中学生向けの教育普及活動をさらに充実させるとともに、高齢者を対象とした生涯学習にも注力し、博物館の教育施設としての価値向上を目指す」としている。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future　12/6号」より