日本製紙連合会の集計による10月の紙・板紙国内出荷は前年同月比▲2.5％の224.3万tと、前年の11月以来11ヵ月ぶりのマイナスとなった（速報値）。うち紙は同▲2.9％の128.5万tで、4ヵ月連続のマイナス。板紙は▲1.9％の95.8万tで、こちらは前年10月以来1年ぶりのマイナスである。
　一方、紙・板紙の輸出は▲9.6％の9.3万tと前月に引き続きマイナス。うち紙は▲13.4％の8.4万tと落ち込み、新聞用紙を中心にアジア向けの減少から2ヵ月連続のマイナスとなった。対照的に板紙は＋52.1％の0.9万tで、段ボール原紙を中心としたアジア向けの増加により12ヵ月連続のプラスだった。
　紙・板紙の在庫は前月比＋5.8万tの198.6万tで、うち紙が同＋3.8万tの139.9万t、板紙が＋2.0万tの58.7万t、いずれも前月の減少から増加に転じている。
　主要品種の動向は次の通り。
＜印刷・情報用紙＞国内出荷は前年同月比▲3.1％の72.2万tで、4月以降7ヵ月連続の減少となった。メーカー輸出は主力の塗工紙が概ね横バイ（▲0.2％）も、全体では▲4.7％の7.3万tにとどまり、前年7月以来1年3ヵ月ぶりのマイナス。
＜板紙・包装用紙＞国内出荷は、猛暑による飲料需要が一服したこと、青果物の低調継続やエコカー減税の終了、タバコ増税の反動などもあり、回復にブレーキがかかった。段ボール原紙は▲2.0％の75.4万tで前年9月以来のマイナス、白板紙は▲2.7％の13.3万tで2ヵ月連続の減少、包装用紙は▲0.5％の7.1万tで前年11月以来のマイナスとなっている。
　なお1～10月期累計の紙・板紙需給は、生産が対前年同期比＋4.9％の2,280万tで、うち紙は同＋4.4％の1,370.1万t、板紙は＋5.7％の909.9万t。国内出荷は紙が＋0.9％の1,272.4万t、板紙が＋4.9％の896.5万tで、合計2,168.9万t（＋2.5％）。メーカー輸出は紙が＋52.8％の94.9万t、板紙が＋72.2％の8.4万tで、合計103.3万t（＋54.2％）。国内出荷の回復度合は板紙の方が良好であり、紙は輸出の拡大で稼働率（生産）を維持していることが分かる。

株式会社　紙業タイムス社　「Future　12/13号」より