三菱製紙は医療機器分野に新規参入、その第1弾として、留置針固定用テープ『ダイヤエクール』を、このほど発売した。経済産業省が主催する「課題解決型医療機器開発事業」で提案があった、群馬大学医学部附属病院麻酔科蘇生科・齋藤繁教授らとの共同開発品。
医療の臨床現場で行われている処置の中で、点滴回路の確保は重要かつ頻度の高い処置。しかし固定用テープの多くは操作が煩雑で、一人で処置を行うのは難しく、作業を補助してくれる人が必要となることが多い。また、現在の形状では点滴回路と留置針のコネクト部分が皮膚に直接接触するため、長期留置が皮膚傷害の原因となり、潰瘍形成などに至るケースも散見される。これらの課題を解決する固定テープとして、『ダイヤエクール』は開発された。留置針の固定を一人で安全に、かつ清潔に行える点が特長で、三菱製紙が開発した不織布パッドにより、コネクト部分の皮膚への圧迫も軽減できる。
同社は昨年7月に第二種医療機器製造販売業許可を取得し、この『ダイヤエクール』で本格的に医療機器分野へ参入。現在、さまざまな医療機関や研究機関とともに医療機器の開発を進めており、順次上市して行く予定。『ダイヤエクール』はシリーズ化し、売上高で3年後に1億円を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/2号」より