バイオケミカル分野でも積極的な製品開発を進める日本製紙は、このほど、その一つであるオリゴ糖製品『サンセロビオ-K』が、イソフラボンがもたらす効果(大腿骨強度)を高める作用があることを確認した。東京農業大学大学院(上原万里子教授)との共同研究により明らかになったもの。
大豆イソフラボンの一種であるダイゼインは、腸内細菌の働きによりエクオールに変換される。エクオールはイソフラボン類の中でも最も生理活性が強く、女性ホルモン(エストロゲン)様作用を示すことで知られ、肌の皺を改善する効果や、閉経後の女性に起こりやすい骨粗鬆症や更年期障害を緩和する作用が高いと言われている。『サンセロビオ-K』には、ダイゼインからエクオールへの変換を促進する可能性があることが、これまでの研究でわかっていたが、今回の共同研究ではその効果が具体的に示された。骨粗鬆症動物モデルにおいて、エクオール吸収量の増加と、大腿骨の強度を高める作用が確認されたもの。
『サンセロビオ-K』の主成分は、日本製紙独自の技術により木材セルロースを酵素分解・結晶化したセロビオースという糖質で、吸湿性が非常に低いという特長を持つ。ヒトの体内では分解されにくい難消化性糖質であり、食品原料として健康食品をはじめ各種食品に幅広く使用されている。これまでも各種研究機関との共同研究により、○整腸作用 ○腸内細菌 ○脂質代謝改善 ○接触性アレルギー抑制などの作用に関して有効なデータが得られている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/14号」より