大日本印刷は日本マイクロソフトと連携し、学校の授業で使用する紙の小テストをタブレット端末で活用できる「DNP学校向けデジタルテストシステム」を開発した。
小テストの多くは、教師がマイクロソフトの「Word」で作成していることから、このシステムではWordで作った小テストをタブレット用のデジタルテストに変換できるようにした。すでに福岡県の県立高校が採用を決定したほか、全国10数校の公立小中学校が実証実験を3月から開始する。実験用の教材は、教師が自作した小テストのほか、啓林館、数研出版、教育出版など複数の教材会社が提供する小テストを使用。また各自治体が保有する独自教材も実験に使用し、児童や生徒の学力傾向も把握していく計画。
現在、小中学校では生徒用タブレットの導入が進んでおり、2020年までに1人1台ずつ配備される予定。現状のタブレット利用は、資料閲覧やインターネットでの「調べ学習」、タブレットに生徒が書き込んだ考え方を共有する「協働学習」、選択問題や漢字の書き取りなどの「ドリル学習」が中心で、学習の理解度を測る小テストでの利用実績はほとんどなかった。
そこで大日本印刷は、タブレット上でテストを行い、解答までのプロセスの把握やテスト結果の集計が容易にできるデジタルテストシステムを開発。自動採点の難しい記述問題についても、教師による採点機能を持たせることで、解答プロセスから生徒の理解度を把握できるようにした。また、日々の学習状況をデータとして管理できるため、指導内容と学力の関係の検証や、学習状況に基づいた生徒の評価にも利用できる。
同システムは、「AnswerBoxCreator(アンサー・ボックス・クリエーター)」の名称で、ダイワボウ情報システムなどが3月から本格販売を開始する。大日本印刷では2015年度で1,500校への導入を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/12号」より