凸版印刷はこのほど、バリア製品ブランド『GL BARRIER』シリーズのラインアップに、紙素材ながらそれ自体がバリア性を有する新製品を追加。シリーズ初の紙製品として、今春から国内外の食品・トイレタリー業界向けにサンプル出荷を開始する。
フードロスの削減やサステナビリティへの取組みが広がる中、商品パッケージには内容物の鮮度保持や長期保存性などの機能だけでなく、省資源やリサイクル適性といった環境負荷の低減も求められている。1986年に発売された『GL BARRIER』は、フードロスや省資源化の課題を解決する透明バリアフィルムとして、これまで約45の国と地域で1万5,000点に採用され、世界トップシェアの製品に成長してきたが、今回、従来のフィルム製品に紙製品を加えることで、対応範囲の拡大を図る。
新製品は、日本製紙の紙製バリア素材『シールドプラス』に、凸版印刷が確立したシーラント加工技術をはじめとするコンバーティング技術を組み合わせることにより、各種包材向けに最適化、紙単体の包材にバリア性を持たせることを可能にした。従来の紙製包材と違い、バリア性付与のためにアルミ箔などを用いる必要がないため、製造負荷や環境負荷の軽減が見込める。シーラント層には生分解性素材やバイオマス素材など、環境に配慮した素材も選択できるので、環境配慮型包材としての展開も可能。紙本来の風合いを活かしたパッケージデザインもできる。また、デジタル印刷工程に最適化しているため、デジタル印刷の特長であるリードタイム短縮、小ロット対応のメリットも生かせる。
今後は、2019年の量産化を目指し開発を進める計画で、また新たな包材向けバリア紙の開発により、ラインアップを強化していく考え。包材向けバリア紙全体で、2025年に関連受注を含め約100億円の売上げを目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/5号」より