丸紅はこのほど、サステナビリティ経営推進の一環として、石炭火力発電事業および再生可能エネルギー発電事業に関する取組み方針を定め、“脱石炭火力発電”を打ち出した。取組みの概要は次の通り。
①脱石炭火力発電へのプロセス…石炭火力発電事業によるネット発電容量を、2018年度末見通しの約3GWから30年までに半減させる。新技術導入などによる保有資産の効率化、環境負荷軽減を推進する。
②新規石炭火力発電事業への取組み…新規石炭火力発電事業には原則として取組まない。ただし、BAT(Best Available Technology 現時点では超々臨界圧発電方式)を採用し、かつ日本政府並びに案件実施国の国家政策に合致した案件については取組みを検討する場合もある。しかし例外的に取組む場合でも、低炭素社会の実現、効率的な電力システムの構築、エネルギー源の多様化などに向けた提案を行い、当該国・地域の課題解決に貢献する。
③再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組み…再生可能エネルギー電源の比率を、ネット発電容量ベースで現在の約10%から23年までに約20%へ拡大することを目指す。また、全契約電力量約3GWのうち、再生可能エネルギー電源比率が約80%を占める英国連結子会社SmartestEnergy社をはじめとする、電力卸売・小売業における再生可能エネルギー電源の取扱いを拡充する。
丸紅は以上の方針の達成に向けて、次のように述べている。
「多様なステークホルダーと連携・協働に努め、進捗状況も積極開示する。また、外部環境の変化を踏まえ、各種国際ガイドラインを参考に、各国政策ならびに国際状況を認識した上で、気候変動対策の観点から適宜方針の見直しも行う」。
丸紅は、ESG課題への取組み強化を目的に4月、社長直轄のサステナビリティ推進委員会を発足。以来、ESG課題への取組みに関する基本的な方針や施策について、同委員会で討議を重ねている。討議内容を踏まえた方針・施策については、ESG関連情報と一元集約化した段階で報告する予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/8号」より