日本化学会（糖鎖化学研究会）などの主催による、第388回生存圏シンポジウム「第12回多糖の未来フォーラム」が11月9日、京都大学宇治キャンパス「きはだホール」で開催される。

　多糖は、地球上で大量に生産・利用・分解される、人にとって必須の食料資源・生活資源・産業資源・創薬資源・エネルギー資源であり、その中でも最も豊富な多糖がセルロース。「多糖の未来フォーラム」は、日本化学会（糖鎖化学研究会）が呼びかけて、日本応用糖質科学会、セルロース学会、日本キチン・キトサン学会、シクロデキストリン学会が結集するとともに、関連諸学会・団体の協力を得て、2006年に発足した。多糖の重要性と魅力を広く訴える活動を行っている。

　今年度は、セルロースナノウィスカーやキチンナノファイバーといった、セルロースナノファイバーとは少し異なる多糖ナノ材料について専門家に講演してもらう。

【講演プログラム】

①〈13:10～13:50〉ファイバー“ではない”ナノセルロース～セルロース・キチンナノウィスカーの特性と利用～（信州大学繊維学部・荒木潤）　②〈13:50～14:30〉ナノセルロース/キチン材料研究の応用生命科学的展開（岐阜大学応用生物科学部・寺本好邦）　③〈14:30～15:10〉生体で機能するヘムタンパク質モデルとしてのメチル化シクロデキストリン／鉄ポルフィリン包接錯体（同志社大学理工学部・北岸宏亮）　④〈15:30～16:10〉キチン加水分解酵素は速い加水分解でブラウン運動を制御する（自然科学研究機構分子科学研究所・中村彰彦）　⑤〈16:10～16:50〉幹細胞における糖鎖の機能（創価大学工学研究科・西原祥子）　⑥〈16:50～17:30〉カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」のヘルスケア効果（鳥取大学工学研究科・伊福伸介）

　講演終了後には、京都大学宇治キャンパスで懇親会も開催される（18:00～19:30）。参加申込は、webサイト（https://goo.gl/sW2ebi）から。講演参加無料、懇親会は別途3,000円（学生は1,000円）。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future１１/５号」より