(一社)日本RPF工業会は9月3~5日、第6回工場見学会(韓国視察団)を実施した。総勢44名の視察団でソウル近郊のSRF(固形燃料)製造工場2社と、SRF専焼の発電会社を見学、意見交換を行った。
初日は、YONGIN(龍仁)市にある韓国最大のSRF製造会社、Samho社を見学。ここでは、生活廃棄物と事業場廃棄物(事業場生活系廃棄物+事業場排出施設系廃棄物)、各50%程度を原料として日量300tのフラフの生産を行っている。処理量は30~40t/hで、日量800tの能力を持つ。処理費用は生活廃棄物10万W(ウォン)/t、事業場廃棄物140万W/t。SRFの主な利用先はセメント会社で2万W/tの逆有償、製紙会社は無償、発電所は有価となっている。
2日目の午前は、WONJU(原州)市にあるWonju Green社の民間投資事業施設である原州市廃棄物総合処理団地とKOMIPO社が運営するSRF発電施設を視察。処理団地では、原州市が収集運搬する一般廃棄物(生ごみを除く)、ビン・缶・ペットボトルなどの再活用廃棄物と、事業者が収集運搬する事業場生活系廃棄物、事業場排出施設系廃棄物が日量120~130t入荷され、SRF施設(固形燃料の生産)、再活用選別施設、埋立施設で処理されている。また、管理施設では浸出水処理や埋立ガスによる発電も実施。SRF処理施設は既設50t/日と増設110t/日の2系統でリングダイによる成形を行っている。
午後は、韓国で発電事業を手がけている大手電力会社6社のうちの1社であるKOMIPO社(KOREA MIDLAND POWER CO.,LTD.=中部電力)のSRF専焼発電所を見学した。循環流動層ボイラーで10MWの発電能力があり、サイズ30~100㎜の固形SRFのみを使用している。最大使用量は日量250tだが現在160tの利用にとどまり、SRF(固形)の確保がネックになっているという。韓国には同様の発電所が他に2ヵ所ある模様。
長田会長は視察に当たり、「中国のプラスチックの禁輸による廃プラ処理の問題、また国内のRPF需要の変化についての問題を前向きにとらえ、今後、韓国の関連業界と連携を深めていきたい」と挨拶した。また、韓国からも日本RPF工業会にSRF利用の発電所の見学の要望が来ており、11月には交流が始まる予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/12号」より