コクヨは、ペンタブレットなどを製品展開する㈱ワコムとともに、紙に手書きした文字をデータ化できる『電子下敷』を活用し、新潟総合学園新潟医療福祉大学における認知症初期の簡易検査研究で筆記データ分析に協力している。
国内の認知症患者は65歳以上で462万人と言われ、軽度認知障害(MCI)の約400万人を加えると、高齢者の4人に1人が認知症またはその予備軍ということになり、早期発見の仕組みが求められている。
現在用いられている検査手法の一つに、指定された時刻のアナログ時計の絵を描く「時計描画試験」があるが、MCIの場合、最終的に時計の描画はできるものの書き順に変化が生じたり、書き迷って途中手が止まるなどのケースがある。紙をセットして筆記する『電子下敷』は、筆跡を経時的に記録でき、描画の経緯をデータとして蓄積・分析できるため、『電子下敷』を使えば、被験者は“紙に書く”という慣れ親しんだ作業で検査に臨むことができ、また検査者は判断に必要な情報を従来より多く得ることが期待できる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/24号」より