＝紙パの第2四半期①＝

　紙パ関連各社の2022年3月期第2四半期（2021年4～9月）の決算発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、連結ベース、単位100万円、％表記は特に記載がない限り対前年同期比、〈　〉内は前年同期の実績値。

【製紙】

■王子ホールディングス

〔第2四半期〕

　売上高 708,529 （＋8.6％）

　営業益 63,681 （＋117.3％）

　経常益 68,835 （＋211.5％）

　当期益 45,582 （＋343.0％）

〔通期予想〕

　売上高 1,450,000 （＋6.7％）

　営業益 120,000 （＋41.5％）

　経常益   120,000 （＋44.5％）

　当期益   70,000 （＋41.0％）

　コロナ禍で停滞した経済活動の再開が進むにつれ、需要回復が想定を上回って推移したことや、グループ全体でコストダウンに取り組んだことにより、また外貨建債権債務の評価替えに伴う為替差益の発生もあり、大幅な増収増益となった。海外売上高比率は前年同期を3.8ポイント上回る32.4％。

○生活産業資材…売上高＋11.0％、営業利益＋39.4％。国内販売量は、段原紙・段ボールは全体的な需要回復や通販向けの堅調で増加。白板紙も土産物や贈答関係の需要が回復しつつあり増加。包装用紙も増加。輸出は、段原紙が減少、白板紙と包装用紙は増加。紙おむつは子ども用、大人用ともに減少。家庭紙は増加。マスク、ウェットティシュは前年の一時的な需要増が落ち着いて減少。海外事業は、東南アジアで段原紙と段ボールが増加。紙おむつはインドネシアで増加したが、マレーシアで減少。

○機能材…売上高＋0.5％、営業利益＋40.5％。乗車券や高級パッケージの需要減は続いているが、電動車向けコンデンサフィルムなどは堅調。感熱紙も販売量が増加。

○資源環境ビジネス…売上高＋18.7％、営業利益＋256.6％。パルプ事業は溶解パルプの中国向け輸出が回復し販売量が増加。エネルギー事業は売電量が減少。木材事業の販売量は増加。

○印刷情報メディア…売上高＋3.0％、営業利益＋1,463.0％。販売量は、新聞用紙は減少、印刷用紙は出版用途で減少したが商印用途が増加し全体も増加、情報用紙、海外事業も増加。

　通期予想は、8月公表の前回予想から変更なし。

■日本製紙

〔第2四半期〕

　売上高 508,402 （＋8.8％）

　営業益 8,113 （＋104.3％）

　経常益 9,696 〈△2,128〉

　当期益 2,196 〈△8,048〉

〔通期予想〕

　売上高 1,030,000 （＋2.2％）

　営業益 14,000 （△27.2％）

　経常益   14,000 （＋14.0％）

　当期益   1,000 （△68.7％）

　前1Qで印刷用紙の需要が大幅に落ち込んだ反動増はあったものの、原燃料価格の高騰が続いて厳しい状況。とはいえ、前2Qに豪州・ニュージーランドで板紙パッケージ事業譲受に係る一過性の取得関連費用約58億円を計上したこともあり、前年同期比では増収増益。

○紙・板紙事業…売上高△4.1％、営業損失△150百万円（前年同期比＋1,870百万円）。新聞用紙は2月の福島県沖地震で岩沼工場の抄紙機の一部が操業を停止したことにより販売量が減少。印刷用紙は増加。板紙は工業製品向けなどの需要回復に加え、加工食品や通販・宅配向けが堅調で増加。

○生活関連事業…売上高＋35.0％、営業利益△70.2％。家庭紙は、前1Qに落ち込んだ需要の回復に加え、㈱トライフとの営業統合効果もあり増収。液体用紙容器は、給食牛乳向け容器の需要は回復したものの、前上半期に需要が増加した家庭用牛乳向け容器が反動で減少し、またジュース向け容器も伸び悩んで販売量は減少。溶解パルプは、市況の回復に伴い増収。機能性フィルムは販売量が増加。海外事業は、前述した板紙パッケージ事業の譲受により大幅増収。

○エネルギー事業…売上高△10.1％、営業利益△66.7％。

○木材・建材・土木建設関連事業…売上高＋11.7％、営業利益＋45.5％。

　通期予想は、5月公表の前回予想を修正した。修正額（単位100万円）は、営業益△11,000、経常益△5,000。原燃料価格の世界的な高騰により、営業・経常益が前回予想を下回る見込み。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/15号」より