日本製紙連合会は、9月のパルプ・パルプ材速報と8月の古紙需給統計を発表した。％表記は、特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が19年同月比。

■パルプ速報（9月）

　製紙パルプ生産量は、前年が大幅減だったため＋8.6％の65.3万tと、6ヵ月連続の増加となったが、2019年同月比は△8.9％。このうちBKPは＋9.4％の53.4万tで6ヵ月連続増（△10.6％）、UKPは＋7.4％の7.9万tで7ヵ月連続増（＋1.7％）。

　製紙パルプ販売は＋7.0％の7.8万tで13ヵ月連続の増加（＋17.8％）。このうちBKPは、国内販売の増加が寄与して、＋19.5％の5.8万tと12ヵ月連続の増加。UKPは輸出が前年割れとなったこともあり、△17.0％の1.9万tで2ヵ月連続の減少。在庫は前月比＋5.6％の14.2万tで2ヵ月連続の増加、前年同月比は△25.6％で8ヵ月連続の減少、19年同月比は△9.8％だった。このうちBKPは前月比＋7.6％の10.6万tで2ヵ月連続の増加、前年同月比は△32.3％で8ヵ月連続の減少。UKPは前月比△1.9％の2.9万tで5ヵ月連続減、前年同月比は＋7.9％で7ヵ月連続増。

■パルプ材速報（9月）

　パルプ材消費は、パルプの生産増を受けて＋11.2％の126.2万tとなり、6ヵ月連続の増加。前年同月の水準が上昇したため、増加幅が前月より縮小した。19年同月比は△7.0％で年初からマイナスが続いている。うち針葉樹は＋5.9％の36.4万t（△5.0％）、広葉樹は＋13.6％の89.8万t（△7.8％）で、いずれも6ヵ月連続の増加。

　集荷は、＋13.1％の116.5万tで5ヵ月連続の増加（△9.3％）。このうち、国産は＋4.3％の33.5万tで5ヵ月連続の増加（△8.7％）。国産の内訳は、針葉樹が＋4.9％の25.5万t、広葉樹が＋2.4％の8.0万t。輸入は、＋17.1％の83.0万tで7ヵ月連続の増加（△9.5％）。輸入の内訳は、針葉樹が＋21.8％の12.0万t、広葉樹が＋16.3％の71.0万t。

　在庫は、前月比△7.1％、前年同月比△17.8％の130.3万tで、2ヵ月連続の減少。前月から10万tの減少、7月からは23万tの減少。19年同月比も△27.2％と低い水準が続いている。維持月数は前月から0.1ポイント低下して1.1ヵ月となり、現状の消費レベルと比べてやや低い水準。

■古紙需給（8月）

　古紙入荷は＋6.1％の127.2万tで6ヵ月連続の増加。うち新聞古紙は△1.0％の19.0万tで4ヵ月ぶりの減少、段ボール古紙は＋9.6％の74.6万tで12ヵ月連続増。雑誌古紙（17.7万t、＋3.2％）と上級古紙（12.3万t、＋1.4％）も増加した。

　消費は、＋3.1％の125.4万tで5ヵ月連続の増加（△2.2％）。段ボール古紙（70.7万t、＋4.1％、＋6.0％）と雑誌古紙（17.9万t、＋3.7％、＋1.0％）の消費が板紙向けを中心に増加したことが寄与した。上級古紙は12.8万tで前年同月比＋2.6％だが、19年同月比は△14.0％。新聞古紙は20.3万tで前年同月比△0.6％、19年同月比△18.7％。

　在庫は49.0万tで、前月比＋3.7％だが、前年同月比は△23.8％と低い水準。輸出は、△23.2％の21.8万tで11ヵ月連続減。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/15号」より