レンゴーはこのほど、三井住友銀行との間で、国際金融業界団体が定めた「グリーンローン原則(2021年版)」および環境省が定めた「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(2020年版)」に即したシンジケーション方式の「グリーンローン」契約を締結した。組成金額は50億円、借入期間は7月29日~2030年7月31日の8年間。
グリーンローンは、環境問題の解決に貢献する事業(グリーンプロジェクト)に限定して融資されるローン。資金の追跡管理や融資実行後のレポーティングにより、透明性が確保されるなどの特徴を持つ。レンゴーの、今回のローンの使途となるグリーンプロジェクトは、①「バイオマスボイラおよびRPF製造設備の新設」と、②「木材由来の100%生分解性素材であるセルロース微粒子プラントの新設」。両プロジェクトの概要は次記の通り。
①利根川事業所敷地内(茨城県坂東市)に、木質チップとRPFを主燃料とするバイオマスボイラを新設し、LNGからの燃料転換を図る。また、RPF製造設備を導入してグループ会社と周辺地域からの廃プラスチックなどを受け入れ、RPFを一部自製化する。
②金津工場敷地内(福井県あわら市)に、セルロース微粒子プラントを新設する。セルロース微粒子は自然環境中で生分解するため、マイクロプラスチックビーズからの代替が期待される。また、新プラントでは新技術(新規連続法)を導入し、薬品原単位と電力原単位の低減を図る。
レンゴーは、調達資金の全額を前記2つのグリーンプロジェクトに充当するまで、充当状況を年次で同社webサイトに開示していく。また、調達資金の全額を返済するまで、プロジェクトの進捗・環境改善効果を、同様に年次でweb開示していく。環境改善効果の指標は、①バイオマス発電電力量 ②セルロース微粒子生産量 ③産業廃棄物受入量 ④基準年度(2013年度)と比較した利根川事業所全体のCO2削減量の4項目。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/15号」より