山陽製紙と廃車買取サービスの「廃車王」（運営元：㈱NGP）は、廃車の取扱説明書と梅の種、2つの産業廃棄物から靴用消臭シート『廃車王 炭エコクック』を製作するアップサイクルプロジェクトを開始した。
　『廃車王 炭エコクック』は、山陽製紙が開発した、製造副産物を炭化し紙に抄きこんだ消臭・除湿機能のある炭再生紙を活用した消臭シートで、廃車王が11月から12月末まで、成約者先着5,000名を対象にプレゼントキャンペーンを実施している。
　NGPが廃車王などを通じて引き取る廃車は年間60万台以上。自動車のリサイクル率は90％超と言われるが、取扱説明書（200～500頁の冊子）は埋め立て処分されるか、燃料としてサーマルリサイクルされていた。そこで同社は「NGPアップサイクルプロジェクト」を立ち上げ、取扱説明書の再資源化事業をスタートさせた。
　一方、山陽製紙は、梅の種などの食品廃棄物を炭として再資源化し、紙に抄き込んだ「Sumideco Paper（スミデコペーパー）」を2005年に開発。この技術を活用し、“取扱説明書×梅の種（梅炭）”のアップサイクルが実現したもの。消臭シートの製作に当たっては製造工程でも環境に配慮し、使用電力は再生可能エネルギーを利用、排水は活性炭ろ過方式排水処理設備を使用してきれいな水に還している。
　ちなみにNGPアップサイクルプロジェクトの第1弾は、NGP、山陽製紙、大川印刷の3社が製作した「環境教育ノート」で、今回の靴用消臭シートは第2弾となる。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/21号」より