日本製紙連合会が集計した11月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△1.9％の187.8万tで、3ヵ月連続のマイナスとなった。以下、％表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△2.9％の90.0万t、板紙は△1.0％の97.8万t。用途別では、グラフィック用紙（新聞用紙＋印刷・情報用紙）が△4.6％の62.8万tで10ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙（包装用紙＋段ボール原紙＋紙器用板紙＋雑種紙＋その他の板紙）が△1.0％の108.9万tで2ヵ月連続のマイナス。主要品種は、情報用紙、包装用紙、白板紙、衛生用紙を除きマイナス。
紙・板紙のメーカー輸出は△18.6％の12.0万tで、2ヵ月連続のマイナス。うち、グラフィック用紙は塗工紙が東南アジア、東アジア向けで減少して△15.4％の3.8万tとなり、5ヵ月連続のマイナス。パッケージング用紙は段ボール原紙が東南アジア向けで減少して△20.1％の8.2万tとなり、2ヵ月連続のマイナス。
紙・板紙の在庫は前月比△9.1万tの192.7万tで2ヵ月ぶりの減少。うち、グラフィック用紙は新聞用紙、印刷・情報用紙ともに減少して同△6.5万tの79.5万tとなり、2ヵ月連続の減少。パッケージング用紙は段ボール原紙、包装用紙が減少して同△1.9万tの104.5万tとなり、2ヵ月ぶりの減少。衛生用紙は△0.6万tの8.7万tで2ヵ月ぶりの減少。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△6.6％の15.5万tで18ヵ月連続のマイナス。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は△3.9％の47.3万tで3ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△15.4％の3.8万tで5ヵ月連続のマイナス。
＊包装用紙…国内出荷は＋5.5％の6.2万tで20ヵ月連続のプラス。メーカー輸出は＋3.6％の1.3万tで2ヵ月ぶりのプラス。
＊段ボール原紙…国内出荷は△1.5％の78.8万tで2ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△21.1％の5.7万tで2ヵ月連続のマイナス。
＊白板紙…国内出荷は＋3.4％の12.4万tで7ヵ月連続のプラス。
＊衛生用紙…国内出荷は＋2.9％の16.1万tで13ヵ月連続のプラス。
古紙入荷プラスは段ボール古紙のみ
続いて、日本製紙連合会が発表した11月のパルプ・パルプ材速報と10月の古紙需給統計の概要を紹介する。以下、％表記は特に記載がない限り前年同月比。
■パルプ速報（11月）
製紙パルプ生産量は△3.8％の59.0万tで2ヵ月連続の減少となった。このうちBKPは△2.2％の47.7万tで3ヵ月連続の減少、UKPは△9.9％の8.0万tで2ヵ月連続の減少。
製紙パルプ販売は＋15.6％の11.0万tで27ヵ月連続の増加。このうちBKPは＋32.1％の9.0万tで26ヵ月連続の増加。UKPは△26.7％の1.8万tで2ヵ月連続の減少。
在庫は12.8万tとなり、前月比は△13.7％で2ヵ月連続の減少、前年同月比は＋5.7％で5ヵ月連続の増加。このうちBKPは9.5万tで、前月比は△14.7％と2ヵ月連続の減少、前年同月比は＋2.9％で5ヵ月連続の増加。UKPは2.9万t、前月比は△8.8％で3ヵ月ぶりの減少、前年同月比は＋25.8％で3ヵ月連続の増加。
■パルプ材速報（11月）
パルプ材消費は、パルプの対前年比生産減を受けて△2.3％の113.2万tとなり、2ヵ月連続で減少。うち、針葉樹は△4.1％の35.9万tで2ヵ月連続の減少、広葉樹は△1.5％の77.3万tで3ヵ月連続の減少。針葉樹はUKP減少の影響が大きい。
集荷は△5.2％の119.6万tで2ヵ月連続の減少となった。このうち、国産は△2.4％の33.2万tで、年初来前年を下回る基調で推移している。内訳は針葉樹が＋0.6％の26.7万t、広葉樹が△12.8％の6.5万t。輸入も△6.2％の86.5万tで2ヵ月連続の減少となった。輸入の内訳は、針葉樹が＋5.9％の16.4万t、広葉樹が△8.7％の70.1万t。針葉樹の集荷は、国産材が3ヵ月ぶりの増加となり、また、輸入材は2ヵ月連続の増加で数量的にも16万t台と比較的多い数字となっている。
在庫は124.5万t、前月比は＋3.0％と2ヵ月連続で前月を上回ったが、前年同月比は△10.1％で29ヵ月連続の減少。維持月数は、1.0ヵ月で前月より0.1ポイント上昇した。
■古紙需給（10月）
古紙入荷は＋1.3％の137.1万tで5ヵ月連続の増加。内訳は、段ボール古紙が＋5.1％の84.7万tで8ヵ月連続の増加、新聞古紙が△3.8％の18.4万tで15ヵ月連続の減少、雑誌古紙は△7.4％の17.1万t、上級古紙は△1.2％の13.0万tだった。
消費は＋2.2％の139.6万tで3ヵ月連続の増加。品種別では、段ボール古紙が＋5.3％の87.1万t、雑誌古紙が△5.3％の17.7万t、新聞古紙が△2.1％の17.3万t、上級古紙が＋1.1％の13.4万t。
在庫は47.2万tで前月比△4.9％、前年同月比は＋6.7％となったが、例年と比べると依然低水準。輸出は△32.6％の12.6万tで25ヵ月連続の減少。ベトナム、韓国、台湾、インドネシアが主な輸出先。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/16号」より
