リンテックは、半導体関連製品のラインアップ拡充と、半導体製造に関わる新規プロセスの開発を推進するため、福岡県産業・科学技術振興財団が運営する三次元半導体研究センター(写真)に入居し、同センター内に、研究開発を担う新たな組織として「実装技術開発室」を開設した。
AIや自動運転、高速通信規格5Gなど、昨今は社会の技術革新が急速に進み、そのハードを構成する電子機器には集積小型化や信頼性が要求される。半導体デバイスにおいては、チップの微細化が限界に近づく中、複数のチップを積み重ねて性能を高める三次元実装などのパッケージング技術の進化が求められている。リンテックが同センター内に実装技術開発室を開設したのも、三次元実装やチップレット集積といった、半導体後工程でのパッケージング技術に関わる新たなテープや装置、独自プロセスの開発を推進するため。
三次元半導体研究センターは、半導体関連のビジネス拡大に向けて各種研究設備を備えており、設計から試作、評価・解析までを一貫して行える開発体制を敷いて、企業や大学が進める三次元実装技術の開発を支援している。
リンテックは同センターの研究設備や技術力を活用しながら、顧客となる半導体メーカーの視点で信頼性評価や解析を進めるとともに、半導体パッケージング技術の情報交換を行っていく。現在、実装技術開発室には半導体の技術スタッフ数名が常駐しており、今後は人員の増強も視野に入れながらリンテックの研究所(埼玉県蕨市・さいたま市)とも連携を図り、半導体市場でのビジネス拡大を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/15号」より