日本製紙連合会が集計した2023年11月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△7.0％の174.8万tで、15ヵ月連続のマイナスとなった。以下、％表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△11.5％の79.9万t、板紙は△2.9％の94.9万t。用途別では、グラフィック用紙（新聞用紙＋印刷・情報用紙）が△13.3％の54.6万tで22ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙（包装用紙＋段ボール原紙＋紙器用板紙＋雑種紙＋その他の板紙）が△3.9％の104.7万tで14ヵ月連続のマイナス。主要品種はすべてマイナスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は＋25.5％の15.1万tで14ヵ月ぶりのプラス。うち、グラフィック用紙は塗工紙が東アジア、南アジア向けで増加して＋29.7％の4.9万tとなり、17ヵ月ぶりのプラス。パッケージング用紙は段ボール原紙が東アジアを中心にアジア向けで増加して＋23.8％の10.1万tとなり、14ヵ月ぶりのプラス。
紙・板紙の在庫は前月比△8.4万tの193.1万tで5ヵ月ぶりの減少。うちグラフィック用紙は、新聞用紙、印刷・情報用紙ともに減少して同△6.7万tの78.2万tとなり、5ヵ月ぶりの減少。パッケージング用紙は、段ボール原紙を中心に白板紙、包装用紙も減少し、同△2.0万tの105.1万tで3ヵ月ぶりの減少。衛生用紙は同＋0.3万tの9.8万tで2ヵ月連続の増加。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△13.6％の13.4万tで30ヵ月連続マイナス。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は△13.2％の41.3万tで15ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は＋29.7％の4.9万tで17ヵ月ぶりのプラス。
＊包装用紙…国内出荷は△15.5％の5.3万tで12ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△11.6％の1.2万tで12ヵ月連続のマイナス。
＊段ボール原紙…国内出荷は△2.1％の77.1万tで6ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は＋34.5％の7.7万tで2ヵ月連続のプラス。
＊白板紙…国内出荷は△6.0％の11.7万tで6ヵ月連続のマイナス。
＊衛生用紙…国内出荷は△3.8％の15.6万tで4ヵ月連続のマイナス。
古紙需給は入荷・消費とも
12ヵ月連続で減少
続いて、11月のパルプ・パルプ材速報と10月の古紙需給統計を紹介する。以下、％表記は特に記載がない限り前年同月比。
■パルプ速報（11月）
製紙パルプの生産は、7ヵ月連続の減少となる△13.7％の51.0万t。このうちBKPは△15.2％の40.4万tで7ヵ月連続の減少、UKPは△1.7％の7.8万tで10ヵ月連続の減少。
販売は△3.6％の10.6万tで2ヵ月連続の減少。このうちBKPは△9.1％の8.2万tで2ヵ月連続の減少。UKPは＋23.0％の2.2万tで2ヵ月ぶりの増加。
在庫は15.4万t、前月比は△17.5％で5ヵ月ぶりの減少、前年同月比は＋20.1％で17ヵ月連続の増加。このうちBKPは12.0万t、前月比は△18.1％で5ヵ月ぶりの減少、前年同月比は＋27.0％で17ヵ月連続の増加。UKPは2.8万t、前月比は△16.2％で2ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△0.9％で2ヵ月ぶりの減少。
■パルプ材速報（11月）
パルプ材の消費は、パルプ生産の前年割れを受けて98.0万tと、6月以来の100万t割れとなる低水準。減少幅は△13.4％で7ヵ月連続減。このうち、針葉樹は△3.8％の34.5万tで9ヵ月連続の減少、広葉樹は△17.9％の63.5万tで7ヵ月連続の減少。広葉樹の大幅減が響いた。
集荷は△9.4％の106.5万tと低水準で、3ヵ月連続の減少。このうち、輸入は△8.9％、76.8万tの3ヵ月連続減、内訳は針葉樹が△27.2％の12.0万t、広葉樹が△4.5％の64.9万t。国産は△10.6％の29.7万tで8ヵ月連続減。内訳は、針葉樹が△12.5％の23.3万t、広葉樹が△2.5％の6.3万t。
在庫は140.9万t、前月比は＋5.8％で5ヵ月ぶりに増加、前年同月比は＋13.2％で9ヵ月連続増。維持月数は前月より0.2ポイント増加し1.3ヵ月。
■古紙需給（10月）
古紙の入荷は△9.2％の124.6万tで、12ヵ月連続の減少。内訳は、段ボール古紙が△10.5％（75.9万t）で11ヵ月連続の減少、新聞古紙が△10.3％（16.5万t）で27ヵ月連続の減少、雑誌古紙が△9.4％（15.5万t）、上級古紙が＋1.1％（13.2万t）と、上級古紙のみプラスだった。
消費は△9.4％の126.4万tで12ヵ月連続の減少。品種別では、段ボール古紙△8.9％（79.3万t）、雑誌古紙△12.8％（15.5万t）、新聞古紙△12.8％（15.1万t）、上級古紙△3.8％（12.9万t）となり、全品種が減少。
在庫は56.8万tで前月比△3.1％、前年同月比＋20.3％だった。また輸出は＋48.1％の18.6万tで10ヵ月連続の増加。ベトナム、台湾が主な輸出先。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/15号」より
