特種東海製紙はこのほど、小売電気事業の権利義務を、会社分割によって100%子会社のレックス(静岡県島田市)に承継させることを決めた。1月16日付で吸収分割契約を締結しており、4月1日付で吸収分割する。
特種東海製紙は小売電気事業者のライセンスを持ち、卸電力市場を活用した高度ディマンド・リスポンス(=DR)にも取り組んでいる。DRとは、電力の需給状況に応じて需要家が電気の使用を調整すること。電力の需給逼迫を回避する手段として注目されており、同時に需要家にとっては電気代の抑制につながる。同社は、卸電力市場の価格シグナルを活用し、需給状況に応じて自家発電設備や生産設備の稼働調整を行っている。
特種東海製紙はDRの実施に当たって、30分毎に変動する電力価格に対して設備稼働の最適化モデルを構築・実装しており、また市場価格高騰のリスクヘッジとして、電力先物、相対契約、保険などを組み合わせて対応するなど、DRのノウハウを蓄積してきた。
一方、レックスは非化石燃料の製造・販売という、製造業の脱炭素支援を主力事業としている。特種東海製紙は、自社のDRのノウハウを活かし、小売電気事業をレックスへ承継してDR導入のサポート事業を展開することで、DRの取組みを製造業全体に展開していきたい考え。これにより、製造業の脱炭素と同時に、特種東海製紙グループの企業価値向上を図る。
『ミルトGAスピリット』をFSC森林認証紙化
特種東海製紙は、高級印刷用紙の『ミルトGAスピリット』をFSC森林認証紙化し、12月生産分から順次切替えを開始した。
『ミルトGAスピリット』は、美しい白色でやわらかくしなやかな腰と、マットな仕上がりが特徴の高級印刷用紙。今後は環境に配慮したFSC森林認証紙『ミルトGAスピリット-FS』として販売される。
一部高級印刷用紙の生産を終了
特種東海製紙はこのほど、グロスタイプ高級印刷用紙の一部廃色と廃規格を発表した。
高い平滑性と印刷光沢が特徴の『ミセスBスムース-F』はホワイトの生産を終了し、スーパーホワイトのみとなる。嵩高と緻密な美しさを合わせ持つ『エアラス』は四六判T目(80kg・100kg・120kg)の生産を終了する。いずれも現在庫限りの販売となる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/5号」より