日本製紙連合会が集計した2023年12月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△6.5％の172.8万tで、16ヵ月連続のマイナスとなった。以下、％表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△10.9％の79.9万t、板紙は△2.4％の93.0万t。用途別では、グラフィック用紙（新聞用紙＋印刷・情報用紙）が△14.0％の54.1万tで23ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙（包装用紙＋段ボール原紙＋紙器用板紙＋雑種紙＋その他の板紙）が△2.9％の102.2万tで15ヵ月連続のマイナス。主要品種はすべてマイナスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は＋43.2％の14.4万tで2ヵ月連続のプラス。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心に東南アジア、南アジア向けが増加して＋42.2％の5.1万t、パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東南アジア、東アジア向けが増加して＋43.9％の9.3万tとなり、いずれも2ヵ月連続のプラス。
紙・板紙の在庫は前月比△6.4万tの186.4万tで2ヵ月連続の減少。うちグラフィック用紙は、塗工紙と情報用紙が減少して同△1.7万tの76.7万t、パッケージング用紙は段ボール原紙が減少して同△3.2万tの101.8万t、衛生用紙は同△1.5万tの7.8万tとなり、いずれも2ヵ月連続の減少。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△13.2％の14.2万tで31ヵ月連続マイナス。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は△14.2％の39.9万tで16ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は＋42.2％の5.1万tで2ヵ月連続のプラス。
＊包装用紙…国内出荷は△6.6％の4.9万tで13ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は＋25.2％の1.2万tで13ヵ月ぶりのプラス。
＊段ボール原紙…国内出荷は△1.8％の76.5万tで7ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は＋59.1％の7.0万tで3ヵ月連続のプラス。
＊白板紙…国内出荷は△2.8％の10.8万tで7ヵ月連続のマイナス。
＊衛生用紙…国内出荷は△1.5％の16.5万tで5ヵ月連続のマイナス。
パルプは生産減も販売増
古紙は輸出が大幅増
続いて、12月のパルプ・パルプ材速報と11月の古紙需給統計を紹介する。以下、％表記は特に記載がない限り前年同月比。
■パルプ速報（12月）
製紙パルプの生産は、△6.7％の59.3万tで8ヵ月連続の減少。このうちBKPは△6.9％の47.4万tで8ヵ月連続の減少、UKPは＋3.4％の8.8万tで11ヵ月ぶりの増加。
販売は＋12.5％の10.3万tで3ヵ月ぶりの増加。このうちBKPは＋4.5％の7.5万tで3ヵ月ぶりの増加。UKPは＋37.9％の2.6万tで2ヵ月連続の増加。
在庫は17.7万t、前月比は＋14.9％で2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は＋30.3％で18ヵ月連続の増加。このうちBKPは14.1万t、前月比は＋17.6％で2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は＋49.7％で18ヵ月連続の増加。UKPは3.1万t、前月比は＋9.0％で2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は△12.6％で2ヵ月連続の減少。
■パルプ材速報（12月）
パルプ材の消費は、パルプ生産の前年割れを受けて△4.9％の115.0万tとなり、8ヵ月連続の減少。このうち、針葉樹は△3.3％の36.2万tで10ヵ月連続の減少、広葉樹は△5.7％の78.7万tで8ヵ月連続の減少。
集荷は△8.8％の109.0万t、4ヵ月連続で減少し、10％近い減少が続いている。このうち、輸入は△9.2％の80.1万tと、4ヵ月連続で大きな減少となっている。内訳は針葉樹が△18.6％の13.4万t、広葉樹が△7.1％の66.6万t。国産も△7.5％の28.9万tで9ヵ月連続の減少、内訳は針葉樹が△7.3％の21.6万t、広葉樹が△0.7％の7.3万t。
在庫は134.6万t、前月比は△4.5％と2ヵ月ぶりの減少となったが、前年同月比は＋7.3％で10ヵ月連続増。維持月数は前月より0.1ポイント減少し1.2ヵ月。
■古紙需給（11月）
古紙の入荷は△6.8％の125.0万tで、13ヵ月連続の減少。内訳は、段ボール古紙が△6.0％（77.3万t）で12ヵ月連続の減少、新聞古紙が△11.5％（15.8万t）で28ヵ月連続の減少、雑誌古紙が△8.8％（15.4万t）、上級古紙が△1.7％（12.9万t）と、全品種マイナスだった。
消費は△1.0％の127.5万tで13ヵ月連続の減少。品種別は、段ボール古紙＋0.2％（80.0万t）、新聞古紙△1.3％（15.9万t）、雑誌古紙△7.4％（15.1万t）、上級古紙＋1.5％（12.9万t）だった。
在庫は54.2万tで前月比△4.5％、前年同月比＋3.4％だった。また輸出は＋53.8％の18.7万tで11ヵ月連続の増加。ベトナム、台湾が主な輸出先。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/12号」より
