王子ホールディングスと日本テトラパックは共同で、アルミ付き紙容器を段ボールに再生するリサイクルシステムを構築する取組みを開始した。
異素材の多層構造であるアルミ付き紙容器は、分離技術の問題から再生利用が難しく、日本ではそのほとんどが焼却処分されている。紙製品への再利用率(マテリアルリサイクル率)は3.4%と、非常に低いのが現状だ。そうした中、両社は国内で初めて、使用後のアルミ付き紙容器を「紙繊維」と「ポリエチレン・アルミ層」に分離し、紙繊維部分を段ボールとしてリサイクルするシステムを確立、これによりアルミ付き紙容器のマテリアルリサイクルを本格化させる。すでに2023年7月から関西エリアで実証試験を始めており、今後は順次エリアを拡大して全国規模でのシステム構築を図っていく。
両社が構築したリサイクルシステムでは、店頭や自治体などから回収するアルミ付き紙容器だけでなく、テトラパックや飲料メーカーの工場から排出される損紙も回収し、王子グループの工場で段ボールへリサイクルすることを目指す。アルミ付き紙容器を原料とした再生段ボールは、紙容器回収ボックスとして使われるほか、食品・飲料業界での使用も目指していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/26号」より