WTOは9月15~17日ジュネーブ本部で公開フォーラムを開催。4つのサブテーマが議論された。その中の(1)多国間貿易体制に影響を与えるプレイヤーたちで、メルボルン大学ケープリング教授は「WTOの発足以降、貿易政策の意思決定メカニズムは大きく変動した。民間企業、業界団体、NGOなどの非国会団体が果たす役割が大きくなり、各国政府は2国間、多国間を問わずこれらの意向を無視して貿易政策を立案できなくなった。」と指摘。更に、WTOとFTA(自由貿易協定)の関係について、「関税削減などの市場アクセスの拡大については、WTOよりもFTAのほうが意思決定が速く有効、一方、先進国の補助金削減のように多国間でのみ合意し得る事項は、WTOだけで交渉可能。その意味で、両者は補完的。FTAは経済的な目的以外の政治的、戦略的な目的もあるという点でWTOとは異なる」と述べている。
9月28日付け 通商弘報から抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ