欧州では印刷出版用紙を使用するカタログ、パンフレット、ダレクトメール、チラシや会社案内等の商業印刷部門が急速に成長しており、今や市場規模は新聞と同程度となっている。商業印刷における印刷出版用紙使用量は2000年に最高の1070万㌧に達しそれから2年間に10%減少した後5年間再び増加し2007年に1060万㌧となった。その後2009年から2011年に180万㌧減少し、2011年の商業印刷市場は約840万㌧規模。商業印刷には粗全種類の紙が使用されるが、主要な品種は上質コート紙で全体の49%で410万㌧、次いで中質コート紙28%の230万㌧、非塗工上質紙・中質紙約10%の170万㌧、残りは新聞用紙となっている。今後電子媒体が印刷広告分野を継続的に侵食していく事が明白だが、ダイレクトメールに代表されるように、今後15年間商業印刷は新聞雑誌等の出版印刷より多少持ちこたえると見ている。商業印刷用途の印刷出版用紙の消費量は2011年の840万㌧から2027年610万㌧に減少すると見込まれるものの、依然として印刷出版用紙の大口需要先は商業印刷用途。今後15年間に年間平均2%の減少が予測される中、上質コート紙の需要は安定推移すると見られるが、非塗工中質紙のシェアは非塗工紙の減少で15%以上増加が見込まれる。 October 2012 Pulp & Paper Internationalから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ