トッパン・フォームズはこのほど、大型重量物輸送用の紙製折りたたみ式梱包資材を発売した。
段ボールの約6倍の強度を持つ板紙を使った梱包材で、「紙コンテナ」の技術を応用し、簡単に組み立て・折りたたみができる。数100kgのロール状フィルムなど、企業間で行われる大型重量物の輸送に100回以上の再利用が可能。従来のワンウェイ方式に比べ、物流のトータルコストを最大で50%低減、環境負荷も最大70%改善できる(コスト削減額は買取の場合、環境負荷は梱包材製造時のCO2削減効果。ともにトッパンフォームズ試算)。
通常、大型重量物の輸送は対象物を木製の構造物に固定した上で、段ボール箱を手作業で組み立て、包装する。基本的にワンウェイが多く、送り手側は大量の段ボール箱の在庫が必要となる。さらに、それらを種類ごとに保管する必要も生じてくる。また受け手側は受領後、リサイクルのために段ボール箱を解体・分別しなければならない。しかし、折りたたむことで容積を10分の1にできる「紙コンテナ」であれば、梱包資材コストと組立作業時間を短縮し、回収物流のコストダウンや保管スペースの大幅圧縮が可能となる。
トッパン・フォームズでは年内を目途に、RFIDを使って「紙コンテナ」の使用履歴を“見える化”する機能も提供する予定。今後3年間で、関連ソリューション売上げ30億円を見込んでいる。
なお「紙コンテナ」は、これまでスターウェイ㈱が「イースターパック」の名称で展開してきた循環型梱包資材。トッパンフォームズはスターウェイと業務提携し、「イースターパック」に関するすべてのサービスを継承した。製造から販売までのライセンス許諾を受け、現在は「紙コンテナ」の名称でサービスを展開している。複合機のトナー・ドラムカートリッジ、パソコン、サーバー、POSレジなどの輸送で実績を積んでいる。また、最大7倍に伸びる特殊ウレタンフィルムの緩衝材と組み合わせることで精密機器、医療機器、通信機器、電子部品、美術品など耐衝撃、耐振動が求められる製品輸送にも適している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/28号」より