ヨーロッパのグラフィック紙市場が継続的な過剰生産能力に喘ぐ姿が常態化するにともない、製紙業界は広範囲にわたってライン停止を余儀なくされる悲観的な事態を経験してきた。製紙メーカーが生き延びる為の選択肢のひとつは、その他の品種例えば包材や特殊紙への転抄であろう。ある業界関係者は、坪量が似通っており大量生産製品といった点では、コンテナーボードがこれまでの実態を見れば最も転抄に適した品種ではなかろうか、と語っている。ただし、全てのラインが必ずしも同様の実現可能性をもっているわけではないとも付け加えている。例えば、当然ながら広巾のマシンは取り幅にいくつもの選択肢があり、生産性にも優れるものの、一方で融通性に欠けるきらいがある。各ラインの隅々までの特徴や長所を調べ上げ、コンテナーボード生産に適しているかどうかを見極めれば、無用の長物であったラインが生き返り、コンテナーボード市場への参入も可能となってくる。
9月30日付RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ