日本製紙連合会が発表した需給速報によると、３月の紙・板紙国内出荷は前年同月比＋8.9％の234.1万t。内訳は紙が＋6.2％の140.8万t、板紙が＋13.3％の93.2万tで、主要品種がすべて前年同月を上回った。プラス成長は紙・板紙と紙で４ヵ月連続、板紙で５ヵ月連続となる。量的には引き続き低調（前々年同月比で見ると紙・板紙が▲11.4％、紙が▲14.4％、板紙が▲6.5％）も、板紙を中心に回復のペースは加速している。
　紙・板紙の３月メーカー輸出は前年同月比2.1倍の11.3万t。うち紙は２倍の10.4万tと、初めて10万tの大台に乗った。中でも塗工紙が引き続き好調で、昨年12月以降４ヵ月連続で過去最高実績を更新している。一方、板紙はマレーシア向けを中心に１万tへ回復。紙・板紙および紙のプラスは７ヵ月連続、板紙は５ヵ月連続となる。
　紙・板紙の３月在庫は前月比▲7.3万t（紙で▲6.1万t、板紙で▲1.2万t）の186万t。在庫率も75％まで低下し、在庫調整が着実に進展している。180万t台の在庫は04年４月以来、約６年ぶりである。
　紙・板紙主要品種別の動向は以下の通り。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比＋5.6％の79.3万t。前月と同様、前年の在庫調整などの反動もあり４ヵ月連続のプラスだが、前々年同月比では▲20.4％と依然低レベル。他方、輸出は2.2倍と好調に推移し、２ヵ月連続で過去最高を更新した。主力の塗工紙を中心に８ヵ月連続のプラスである。
〔板紙・包装用紙〕包装用紙の国内出荷は前年同月比＋23.0％の7.8万t、引き続き合成樹脂など需要分野の回復もあって大幅な伸び。段ボール原紙、白板紙もそれぞれ10％を上回る伸長となり、回復ペースは加速したが、それでも前々年水準を超えるには至っていない。
〔衛生用紙〕国内出荷は前年同月比＋1.2％の16.1万t。また前々年比も、主要品種の中で唯一プラスに転換している。

株式会社　紙業タイムス社　「Future　5/17号」より