日本IR協議会はこのほど、第17
回「IR活動の実態調査」の結果を発表した。調査は、全株式上場会社（3,739社）を対象として２月に実施、うち1,122社から回答があった（回収率30％）。
　それによると、回答企業のうちIR活動を実施している企業は96％（1,077社）に上り、このうちIR専任者のいる企業は約80％だった。一方、紙媒体によるIRツール制作は減少傾向にあるなど、活動にメリハリをつける傾向が見られた。また株主・投資家の意見を社内に報告する仕組みを持つ企業は69.6％と、双方向のコミュニケーションを重視する傾向がうかがえた。
　IR活動実施企業の中で、株主総会にIR部門が関与していると回答した企業は83.5％。また、10年3月期から議決権行使結果が法定開示の対象となるが、すでに「IRサイトに議決権行使の賛否を開示している」企業が8.8％あった。
　IR活動実施企業のうち、中期経営計画の公表を予定しているのは28.9％だった。また、今回新たに中期経営計画や経営戦略で力点を置くテーマを尋ねたところ、「成長戦略」が最も多く、「不採算部門の合理化や経費の節減」「新興国での積極的な展開」などの回答が続いた。
　IFRS（国際会計基準）については、IR実施企業のうち24.7％がIR活動への影響を調査している。調査の内容は、「決算への影響」(91.4％)、「IR活動での説明に対する影響」(41.7％)などが多かった。

株式会社　紙業タイムス社　「Future　5/17号」より