日本製紙は今年10月から印刷出版用紙の銘柄体系を再編成する。同社の多種多様な商品群の中から、顧客が希望の紙を的確に選べるように「分かりやすさ」を追求した。新しい銘柄名は、核となる「コア銘柄名」と、品種や紙質などの「品質情報」を組み合わせて表示する。その際、品質表示に関する用語も統一し、新しい銘柄を見るだけで、顧客が紙の品質をイメージしやすくなるようにする。
また、この再編成に併せて出版印刷用紙の新しい製品ブランドマーク(上)を作成、今後発行する新しい見本帳に順次表示していくほか、WEBサイトなど顧客との接点になる場面で使用することにより、ブランド力を強化する。
新しい銘柄名の構成は、「コア銘柄」と「品質情報」を組み合わせることで、紙のグレード、種類、色、位置づけなどが一見してイメージできるようにした。品質情報については、これまで必ずしも用語が統一されていなかったが、今回の変更を機に統一。品種、光沢度、紙質などを表し、必要に応じて情報を選択してコア銘柄に付記する。
また顧客の使い方を意識した、分かりやすく選びやすい見本帳を発行。紙の用途ごとに9カテゴリーで展開する。
例えば、白紙光沢度順にカテゴリー1~4に分けてまとめた「塗工紙」の見本帳で、マット調の塗工紙を探す場合は『カテゴリー3 塗工紙マットタイプ』の見本帳だけを見ればよい。さらに、カテゴリー3でグロス感が物足りなければ『同2 塗工紙グロス/ダルタイプ』へ、よりグロス感を抑えたいのであれば『同4 塗工紙ラフタイプ』へ、というように目指す紙を探しやすくなっている。また、デザインにも工夫を凝らし、印象的な色と数字を用いて、各カテゴリーが手に取れば一目で分かるようになっている。
さらに、この9カテゴリーとは別に、幅広い印刷用途に使える銘柄を各カテゴリーから選りすぐった見本帳『S1 ビジネスパッケージ』も用意する。これにより合計10冊となる新しい見本帳は、一般から専門家までの幅広い層に分かりやすく安心して紙を選んでもらうためのツールとして、顧客のビジネスをサポートする。
新しい見本帳の発行予定時期と種類は次の通り。
▽8月末…『S1 ビジネスパッケージ』 ▽9月末…『カテゴリー1 塗工紙ハイグロスタイプ』、『同2 塗工紙グロス/ダルタイプ』、『同3 塗工紙マットタイプ』、『同4 塗工紙ラフタイプ』、『同7 書籍用紙』、『同9 色上質紙』 ▽10~12月…『カテゴリー5 非塗工紙』、『同6 グリーン購入法適合紙/古紙パルプ配合率保証紙』、『同8 表紙カバー、パッケージ、ペーパーバッグ』
株式会社 紙業タイムス社 「Future 8/16号」より