中国を対象とする古紙回収システム研修会が昨年に続き、今年も開催されることになった。これは08年に大阪で開催された第1回アジア林産品産業会議で、アジアの古紙需給バランスを改善する必要性、具体的には中国の古紙回収率を高めなければならないとの共通認識が得られたことに端を発する。
これを受けて日本製紙連合会は昨年、経済産業省が主管する海外技術者研修協会(AOTS)の制度を活用し、中国の製紙会社と古紙回収会社を対象とする研修会を初めて開催、約30名の参加を得て成功裏に終了した。そして今年度についてもAOTS研修制度の利用が可能になったことから、中国造紙協会と連携し次記の要領で実施することにしたもの。
〔研修日程〕11月8日(月)~17日(水)の10日間
〔開催場所〕海外技術者研修協会(AOTS)東京研修センター:東京都足立区千住東1-30-1 電03-3888-8231
〔研修招聘者〕紙・板紙メーカー、古紙回収企業、業界団体、中央・地方政府関係者から成る総勢30名。前回は実現しなかった中央政府(工業・情報化部、環境保護部、国家発展改革委員会資源節約環境保護司)と地方政府(南京市、西安市)の古紙回収関連部門から、最大6名の参加が見込まれている。なお対象年齢は25~60歳で、初参加であることが条件。
〔研修カリキュラム〕製紙連のほか古紙再生促進センター、全国製紙原料商工組合連合会、紙パルプ技術協会が協力して作成。前回の研修では参加者から、日本の集団・行政回収がうまく機能している理由や背景についての質問が多かったことを踏まえ、そうした疑問に答えられるようなカリキュラムや実地見学を盛り込んでいる。
施設見学ではレンゴー・八潮工場、王子製紙・富士工場、相川鉄工・実験センター、 ㈱大久保・戸田営業所、 ㈱富澤・彩京資源化センターのほか、東京都の中央防波堤外側埋立処分場、有明清掃工場などが予定されている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 9/13号」より