凸版印刷はこのほど、国内で初めて、UHF帯ICタグ用のアンテナを紙器へ直接印刷する技術を開発した。2010年度内に検証を終了し、11年4月からの量産開始を目指していく。
一般的なUHF帯ICタグは、エッチングもしくはスクリーン印刷などの製法で、PETフィルムなどの表面にアンテナを形成し、その上にICチップを実装したインレットを製造する。紙器にICタグを利用する際には、そのインレットを別工程でラベル加工して取り付ける必要があるため、作業負荷が大きくコスト増が課題となっていた。
凸版印刷が今回開発した技術では、紙器印刷の一般的な手法であるフレキソ印刷を用い、紙器に文字などを印刷する際にUHF帯ICタグ用のアンテナを同時に印刷できる。製品製造段階でICタグを商品や紙器などへあらかじめ取り付けられるため、取り付けコストや加工費の大幅な削減が実現できる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/4号」より