王子製紙ではこのほど、環境省が制度化したオフセット・クレジット(JVER)制度により、社有林の森林吸収源プロジェクトが認証され、1,795t-CO2のクレジット発行を受けることになった。これは、製紙会社としては国内初の同制度による認証取得。
JVERは、地球温暖化対策の一環として、国内における自主的な温室効果ガスの対策プロジェクトから生じた排出削減・吸収量をクレジット化し、カーボン・オフセットなどの自主的な取組みに活用されるというもの。プロジェクトには大きく①排出削減 ②森林吸収の二つがあり、王子製紙は森林吸収のうち「間伐促進型プロジェクト」で認証を受けた。
森林の中でも特に人工林は、間伐することで残された木の成長を促進し森林を健全に維持できる。そして木の成長促進は、温室効果ガスであるCO2の吸収量増大につながる。現在、戦後植えられた日本の人工林は間伐の適齢期を迎え、間伐の推進が求められている。
王子製紙がJVERを取得した森林は、神奈川県山北町(丹沢山系西部)にある三保山林(総面積688ha)。この山林の間伐済山林156ha(07~09年度間伐実施)のCO2 吸収量が認証され、1,795t-CO2のクレジットの発行を受けた。同山林では追加クレジットの取得も計画しており、2010~20年度に117haの間伐事業を実施する予定。
また王子製紙では、19万haの社有林のうち、当面来年4月までに北海道など2,000haを対象として3万8,600t-CO2のクレジット取得も計画している。最終的には全社有林にJVER取得を拡大していく考え。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/11号」より