大王製紙は板紙・段ボール事業の競争力強化を目的として、連結子会社のいわき大王製紙（福島県いわき市）で段ボール原紙抄紙機の新設に踏み切る。設備投資金額は155億円を見込んでおり、2012年10月の稼動を予定している。
　新設の抄紙機は中芯原紙、ジュートライナー、薄物Kライナーを生産する環境に配慮した省エネルギー型の設備。
　大王製紙グループは現在、東日本地区でいわき大王製紙に１台、西日本地区で三島工場に２台、その他白ライナー・カラーライナー抄紙機２台、合計５台の抄紙機で段ボール原紙を生産している。
　今回、東日本の生産拠点であるいわき大王製紙に抄紙機を新設することにより、東日本・西日本の各地区がそれぞれKライナー、白ライナーからジュートライナー、中芯、薄物原紙までを生産可能な体制となり、品質向上と併せて顧客への安定供給体制が一段と強化される。
　なお大王製紙は「マシンの新設に当たっては経済情勢を勘案し、既存設備を含めた生産量を調整することで需給バランスへの柔軟な対応を行う」としている。
＜新設抄紙機の概要＞
▽生産品種…中芯原紙、ジュートライナー、薄物Kライナー
▽設備仕様…抄幅5,500㎜
▽生産能力…月間２万5,500t
▽営業運転開始…2012年10月
　新抄紙機の稼働により、いわき大王製紙は新聞用紙マシン１台、板紙マシン２台の体制となり、能力ベースでは年産70万t台に迫る。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future　11/22号」より