凸版印刷は、バリアフィルムや太陽電池部材などの機能性フィルムの製造拠点である深谷工場を拡張する。約2万680㎡増床し、延床面積は約2万8,292㎡になる予定。併せて各種バリアフィルム、太陽電池部材の生産ラインを導入、太陽電池バックシートの生産能力を約2.5倍に引き上げるなど、機能性フィルムの生産能力を拡大する。着工は11月で、完成予定は2011年3月。投資額は約50億円。
近年、最終製品の品質保持向上のための包装・部品材料として、各種バリアフィルムや太陽電池バックシートなど機能性フィルムのニーズが海外を中心に高まっている。太陽電池市場は、国内では環境意識の高まりに加え、経済産業省が推進している「余剰電力買取制度」などの補助金導入により急速に普及が進んでいる。
また海外でも、ドイツやアメリカなど欧米を中心に市場が拡大しており、今後、アジア市場の拡大も期待されている。これらの需要に対応するため、太陽電池メーカー各社は増産を進めており、それに伴いバックシートや封止材フィルムなどの関連部材の需要も拡大している。
凸版印刷は2009年4月、機能性フィルムの生産拠点として深谷工場を竣工した。バリアフィルムは、透明蒸着フィルム『GLフィルム』を中心に展開してきたが、今回の生産増強により、『GLフィルム』の生産能力を強化するほか、ハイバリア性を追求した新フィルムなど、ニーズに合わせてさまざまな機能のフィルムを製造する予定。
また太陽電池部材では、新製品『BS-TX』をはじめ各種太陽電池バックシートの生産能力を強化する。さらに今回の増床では、太陽電池封止材フィルムの生産設備を新たに導入し、環境エネルギー分野での事業拡大を図る。生産能力は、ハイバリアフィルムが従来比30%増、太陽電池バックシートは年間約5GWとなる予定。封止材フィルムはバックシート生産能力に合わせて順次増強する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/29号」より