凸版印刷はこのほど、証券印刷の製版技術を応用し、紙カートン（紙器）上に直接、偽造防止機能を付与した『セキュリティパッケージ』を発売した。
　『セキュリティパッケージ』は、マイクロ文字や専用フィルタによって隠し絵柄が浮かび上がる潜像模様などを絵柄に組み込んだ紙カートン。これにより、スキャナーやコピー機での複製が難しくなる。
　これまで、製品の模倣品対策にはホログラムなどの真贋判定ラベルを貼り付ける方法があった。ホログラムは複製が非常に困難な反面、紙カートンの製造工程とは別にラベルを製作するため、納品までに時間がかかるほか、製品への貼付け工程が発生し、運用コストが高くつくというデメリットがあった。
　その点『セキュリティパッケージ』は、紙カートン上に直接セキュリティ機能を付加するため、真贋判定ラベルを貼り付ける方法と比べ、納期やコストを約２割から３割削減できる。また、より高いセキュリティ性が必要な場合には、オプションとして真贋判定ラベルとの併用も可能。
　同社では、正規品証明の必要性が高い医療・医薬品や精密機器、電子部品や自動車部品などの紙カートン向けに拡販していく考え。ほかのセキュリティ機能を持つ関連商材と合わせて、2011年度に３億円の売上げを目指す。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future　3/7号」より