凸版印刷と台湾Chimeiグループの中核企業であるChi Lin Technology Co., Ltd.は4月11日、電子棚札や電子ラベルなどの産業分野向け電子ペーパー事業で協業することについて合意した。
これにより凸版印刷は5月から、Chi Linが製造する産業分野向け電子ペーパーディスプレイを日本市場で販売する。また両社は、共同で関連ソリューションの開発も進める。
電子ペーパーディスプレイは現在、電子書籍端末向けを中心に市場が拡大している。一方で今後は、小売、流通、医療・健康などの幅広い領域で、電子棚札や電子ラベル、家電製品の表示部分など、産業用途の成長も期待されている。また、これらの産業用途では、消費電力が少なく、薄くて壊れにくい電子ペーパーの特長を活かした、小型の電子ペーパーディスプレイが中心になると考えられている。
凸版印刷には、商業印刷やICタグ・ICカード事業、デジタルサイネージ事業などで培った実績と、国内での幅広い顧客基盤に強みがある。一方Chi Linには、ラインアップに富んだ低消費電力の電子ペーパーディスプレイ製造と、ソリューション提案に実績がある。凸版印刷とChi Linが協業することにより、幅広い用途に対応した電子ペーパーディスプレイを、短期間で効率的に提供できる。両社は、共同で電子ペーパー製品の供給およびソリューション開発をしていくことで、産業分野向け電子ペーパー市場の拡大を図る。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 5/9号」より