王子製紙は、100%子会社のOji Paper Asia Sdn Bhd.を通じ、マレーシアの段ボール大手、Harta Packagingグループの持株会社 であるHPI Resources Bhd.の発行済株式を公開買付によって取得する。このほどマレーシアで公開買付手続きを開始した。これにより同国内での段ボール事業の拡大を図る。
この買収が成立すれば、マレーシア国内における王子グループの段ボール販売シェアは、2010年4月に買収したGSPPおよび 11年2月に買収したUKBの販売量と合わせ、約30%となる見込み。またシェア拡大と同時に、マレーシア内の主要消費地でバランスよく製造拠点を増やし、生産基盤の強化も図る。
東南アジア全体での事業エリア拡大を図る狙いもある。東南アジアで王子グループが展開する段ボールの事業拠点は現在、ベトナム、タイ、マレーシアの3ヵ国。ここにHarta Packaging グループのカンボジア事業拠点が加われば、地理的拡大と同時に、近隣国事業拠点との連携も強化できる。
さらに、段ボール以外のパッケージ部門強化も視野に入れている。Harta Packaging グループはプラスチックバッグ事業も展開しており、マレーシアとカンボジアに事業拠点を持っている。これを取り込むことで、先に株式の一部を取得した S.Pack&Print (タイ)が展開する紙器事業などと合わせ、東南アジアにおける総合パッケージング事業の展開を目指す。
今回、王子グループが買い付けるHPI Resources Bhd.の発行済株式は5,852万9,000株。買付提示価格は1株当たり4.4MYRで、100%取得時の買付総額は2億5,752万8,000MYR(約69億5,300万円)となる。買付募集期間は7月6日~8月6日の予定で、8月中旬頃から応募のあった株式の買付を実行する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 7/4号」より