日本製紙連合会の集計による、5月の紙・板紙国内出荷は前年同月比▲2.0%の202.7万tにとどまり、3ヵ月連続の減少となった。ただし落ち幅は3月の▲5.5%、4月の▲3.3%に比べ縮小している。また5月の場合、紙が▲4.9%の115.9万tだったのに対し、板紙は+2.2%の86.8万tと回復に明暗が生じている。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比▲54.0%の5.1万t。震災後の国内向け供給優先などの事情から、紙を中心に半減した。主力のアジア、大洋州向けが大幅に減少している。
紙・板紙の在庫は前月比+8.5万tの186.7万tと、4ヵ月ぶりに増加。うち紙は+4.4万tの128.8万t、板紙は+4.1万tの57.9万t。なお当月に確定した震災などによる滅失分は約1,000tで、3~5月の累計では1万6,000tに達している。
以下、主要品種の動向である。
<新聞用紙>国内出荷は前年同月比▲5.1%の25万t。広告出稿の減少が続いているが、落ち幅は縮小傾向(3月▲12.4%減→4月▲6.3%)にある。
<印刷・情報用紙>国内出荷は前年同月比▲5.5%の64.4万t。主力工場の被災や震災後の需要減などにより3ヵ月連続の減少だが、やはりマイナス幅は縮小(3月▲12.6%→4月▲6.9%)している。他方、メーカー輸出は▲61.1%の3.5万t。主力の塗工紙を中心に8ヵ月連続の減少で、落ち幅も拡大した。
<衛生用紙>国内出荷は前年同月比▲4.2%の13.4万t。震災後に大幅な出荷増となった反動もあり、8ヵ月ぶりに減少。
<板紙・包装用紙>段ボール原紙、白板紙の国内出荷は夏場の節電対策に伴う前倒し需要の発生などにより、前者が前年同月比+2.0%の68.5万t、後者が同+4.2%の12万tと増加した。対照的に包装用紙は▲2.6%の6.8万t。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 7/11号」より