=紙流通の2011年3月期決算=
総合商社系紙流通2社と王子通商の2011年3月期決算(10年4月~11年3月)を紹介する(個別、単位100万円、カッコ内は前年度比)。
●丸紅紙パルプ販売
〔11年3月期業績〕
売上高 127,393 (+30.2%)
経常益 1,435 (+197.7%)
当期益 496 (+150.5%)
同社では昨年10月、親会社の丸紅が保有する国内の紙・板紙販売商権を譲り受け、その移管分が加わったため大幅な増収増益となった。なお当期純利益には、震災関連損失▲2億9,800万円、有価証券評価損▲1億3,700万円、事務所移転関連費▲1億2,300万円も計上されている。
●伊藤忠紙パルプ
〔11年3月期業績〕
売上高 75,582 (▲2.5%)
経常益 346 (▲34.2%)
当期益 121 (▲52.2%)
原紙分野は国内紙の取引量が増えた一方、輸入紙は原料高などにより価格優位性が薄れ、大幅に減少。また輸出・三国間取引は円高基調と海外市況の低迷で微減となり、原紙全体の取扱量は前年度比▲0.5%。一方、製品分野は産業資材系の回復などにより、売上高は同+4.0%。最終損益は、有価証券評価損▲7,500万円、東日本大震災に伴う損失▲5,400万円などにより大幅減益となった。
●王子通商
〔11年3月期業績〕
売上高 74,272 (+1.1%)
営業益 193 (▲45.9%)
経常益 57 (▲79.9%)
当期益 ▲39 ( - )
新規販売先の開拓や固定費の削減を進め収益向上に努めたが、需要減退による減販やメーカーの減産、得意先の倒産など、厳しい状況が続いた。売上高は微増となったものの、営業利益は売上総利益の減少や大口得意先の倒産による貸倒費用の増加により大幅に減少、また東日本大震災に伴う災害損失や有価証券評価損などを特別損失に計上した結果、最終損益は赤字になった。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 7/25号」より