王子特殊紙は、包装材料・工業用ポリプロピレンフィルムを生産する滋賀工場で、コンデンサ用薄物専用ポリプロピレンフィルム生産設備を新設する。完成予定は2013年1月、投資額は約35億円。これにより同工場の生産能力を現状の年産5,000tから6,500tに引き上げ、工業用ポリプロピレンフィルム事業の拡充を図る。
工業用ポリプロピレンフィルムの主要需要分野であるコンデンサは、今後も新興国を中心に需要拡大が見込まれており、また太陽光発電、風力発電、車輌などのインフラ設備やハイブリッド&電気自動車などエコカーのインバータユニット向け需要も急拡大している。とりわけハイブリッド自動車用のコンデンサ向けポリプロピレンフィルムには世界最薄3μ以下のフィルムが使用されており、今後も一層の薄膜化が要求されると考えられている。
王子特殊紙では、滋賀工場の生産設備2台で工業用ポリプロピレンフィルムを作っているが、既存設備だけでは今後の需要増および薄膜化に対応できない。そこで薄物専用設備の新設を決めたもの。これにより増産と安定供給体制の整備を図る。同社では、「滋賀工場の工業用ポリプロピレンフィルム事業を、生産技術面で競争力を持つ薄物、高機能品などの特殊分野に集中し強化していく」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 8/15号」より