日本製紙連合会が発表した7月の需給速報によると、紙・板紙の国内出荷は前年同月比▲5.3%の212万tとなった。5ヵ月連続の前年割れだが、マイナス幅は2ヵ月連続で拡大している。うち、紙は▲7.1%の120万tで6ヵ月連続、板紙は▲2.9%の92万tで3ヵ月ぶりの前年割れ。主要品種では、白板紙のみがプラスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比▲59.7%の4.3万t。前年割れは11ヵ月連続となる。3月の大震災を境に、国内向け供給優先という事情もあって4月以降は前年比ほぼ半減状態が定着していたが、7月はマイナス幅が一段と拡大した。
紙・板紙の在庫は前月比+1.7万tの187.3万t。うち、紙は▲1万tの125.7万tで2ヵ月連続の減少。逆に板紙は+2.7万tの61.6万tとなり、3ヵ月連続で増加した。なお、震災などによる在庫滅失分の7月報告は衛生用紙の69tのみ。
以下は主要品種の動向である。
<新聞用紙>国内出荷は前年同月比▲7.6%の26.6万t。夕刊を中心とした頁数の減少などから8ヵ月連続の減少となった。
<印刷・情報用紙>国内出荷は前年同月比▲7.5%の66.5万t。震災以降の需要低迷に加え、輸入の増加などもあって5ヵ月連続の減少である。メーカー輸出は▲72.2%の2.4万tと、塗工紙を中心に10ヵ月連続で減少した。
<衛生用紙>国内出荷は前年同月比▲6.3%の13.8万t。震災特需の反動などにより3ヵ月連続の減少となっている。
<段ボール原紙>国内出荷は前年同月比▲3.3%の72.9万t。エンドユーザーの節電対応による前倒し需要の一巡に加え、天候不順(台風6号やその後の気温低下など)の影響もあって低調だった。前年割れは3ヵ月ぶりである。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 9/19号」より