環境リサイクルを生かしたオリジナル製品の開発は、中堅製紙メーカーの間にも動きが広がりつつある。山陽製紙(大阪府泉南市、原田六次郎社長)が手掛けるリサイクル製品も、先の「エコプロダクツ2011」のブースで注目を集めていた。
同社のリサイクル製品はまず「循環型製紙プロジェクト」。事業所で発生する紙ごみ、オフィス古紙、不要機密文書、茶かすやミカンの皮まで、製造副産物と言われるものを紙に抄き込んで封筒や便せんなどに製品化する。抄き込みに不可能なものもあるが、多岐にわたり小ロットで加工を引き受ける。
もう一つは食品加工の際に排出される梅のタネやプルーンのタネ、コーヒーかすなどを炭にして再資源化。この炭を同様に紙に抄き込む「炭再生紙プロジェクト」だ。
製品化に当たっては、デザインを委託している若いデザイナーの感性を生かす。商品のキャッチコピーにも面白さが出る。「メーカーの発想に埋もれないようにしている」(原田千秋専務)という。
エコプロダクツ展のブースでは自社製品の紹介にとどまらず、来場者から製品についての感想や意見に耳を傾ける。「ハッとするヒントがあります」(同)と、環境リサイクル製品の開発に一層の意欲を見せる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 2/6号」より