レンゴーはこのほど、茨城県坂東市の利根川事業所を大幅リニューアルした。
利根川事業所は製紙、加工、紙器の3工場から成る、レンゴー最大級の敷地を持つ基幹事業所。年間約32万tの板紙(段ボール原紙と白板紙)を生産するほか、美粧段ボール用原紙の印刷や、防水・防錆機能などを付与した多彩な加工紙、そしてマルチパックを中心とした紙器製品を生産している。
今回のリニューアルは、昨年50周年を迎えたのを記念して進められていたプロジェクトであり、バイオマス焼却設備の設置、1号抄紙機(白板紙)の改造、紙器工場の自動ラック倉庫新設、本館事務所棟の全面建替えなど、業務の合理化・効率化と同時に、レンゴーの環境キーワードである“軽薄炭少”(軽い、薄い、CO2排出量が少ない)を目指して実施された。リニューアルの主な内容は次の通り。
①バイオマス焼却設備の設置
生産過程で発生する製紙スラッジなどの廃棄物をボイラー燃料として有効に活用。これまで焼却処理していた廃棄物を有効活用することによって、年間約6,000tのCO2排出量削減を見込む。
②1号抄紙機の改造
ワイヤーパートと呼ばれる、抄紙工程の最初の部分を更新し、印刷適性の向上をはじめ、コート白ボール(白板紙)のさらなる品質向上を実現(写真)。
③紙器工場自動ラック倉庫の新設
製品の入庫から出庫までの作業を機械化することで、作業の効率化と安全性の向上を図り、在庫管理をシステマチックに行う。
④本館事務所棟の全面建替え
屋上にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行うとともに、館内にはLED照明や人感センサーなどを設置。全面的に環境配慮型の設計となっている。
⑤自然エネルギーの有効活用
本館事務所棟以外にもソーラーパネルを設置したほか、小型風力発電により街路灯の電源も賄うなど、自然エネルギーを有効に活用。