凸版印刷とSiam Toppan Packaging Co., Ltd.(=サイアムトッパン。本社:タイ)は、サイアムトッパンの第2工場内に高水準の衛生管理が可能な紙器製造ラインを導入、4月から本格稼働を開始した。
同ラインは、BRC/IOP認証(英国小売協会とパッケージ協会が認証する食品の安全と衛生管理を維持するための包装材に関する国際規格)の「カテゴリー1」を2011年8月に取得している。食品に直接触れる一次包材の製造が可能な「カテゴリー1」の認証取得は、タイの紙器製造会社としては初めて。
タイは世界でもトップクラスの食品輸出国で、原材料はもちろん缶詰や冷凍、インスタントなどの加工食品まで、世界200ヵ国に年間150億㌦の食品輸出を行っている。したがって数多くの包材製造企業があるが、これまで一次包材を製造するのに十分な衛生環境を持つ紙器製造企業はなかった。サイアムトッパンでは今後、食品業界向けの一次包材のほか、ファストフードや小売業界向けの食品テイクアウト包材、その他医療医薬品や化粧品業界などへも拡販していく考え。これにより、タイの紙器製造分野における最高品質のモノづくりを継続するとともに、タイ国内のみならずASEAN地域への展開を促進し、2015年度にサイアムトッパン全体で60億円の売上げを目指す。
凸版印刷とサイアムセメントの日タイ合弁会社であるサイアムトッパン(1990年創業)は、タイ国内最大の紙器製造会社。凸版印刷はパッケージ事業の海外展開を強化しており、中国の上海と深圳インドネシア、タイなどに生産拠点を設け、日系企業のほかグローバル企業の材料調達や適地生産に向けたソリューションを提供している。今後はインドや南米などへの早期進出も視野に入れ、海外展開を推進する考え。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/7号」より