王子製紙のイメージングメディア事業本部と研究開発本部機能材研究所は、バーコードラベル向けを想定し、水漏れ環境下での保存性を向上させて耐アルコール性も付与した、合成紙を基材とする感熱紙を商品化した。
食品・物流・医療など幅広い用途に利用されるバーコードラベルは、プリンタの小型化やメンテナンスフリーを理由に感熱紙が使用されることが多い。また、特に耐久性や耐水性が求められる環境では、合成紙を基材とした感熱紙が使われている。しかしこうした感熱紙には、印字保存性など品質の向上が求められていた。
同社が開発した新製品は、コーティング剤の改良により、従来の合成紙を基材とする感熱紙よりも大幅に水濡れ環境下での印字保存性が向上。さらに、食品や医療業界で利用されることを考慮して、耐アルコール性も付与した。消毒用アルコールが付着しても無印字部分が発色しないので、文字やバーコードを問題なく読み取れる。王子製紙では、同製品で初年度3億円の販売を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/14号」より