日本製紙連合会労務部はこのほど、2012年春季賃金交渉結果を取りまとめた。
　最初に、産業界全体の動向について日本経団連調査の第1回集計から見ると、今年度は総じて「ベアは昨年と同様に実施しないが、定期昇給相当分（賃金カーブ維持分）は行う」という回答が多くなっている。
　今年度の中間集計は以下の通り（加重平均）。
 社数 妥結額 アップ率
全産業 39社 6,198円 1.93％
製造業 35社 6,268円 1.95％
　ちなみに11年度の実績は次のようになっている。
 社数 妥結額 アップ率
全産業 112社 5,842円 1.85％
製造業 106社 5,789円 1.85％
　なお4月20日現在、一時金に関する日本経団連の中間集計は報告されていないが、業績連動型の企業も多く、東日本大震災の影響や円高による業績悪化から、前年比では減額となる業界が多くなりそうだという。
　これに対して製紙連会員会社では、妥結金額の確定した全企業が昨年度と同じく定昇相当額で決着している。すなわち労務委員会構成会社13社中、妥結金額が確定した10社の平均値は4,799円（前年比＋29円）、率にして1.57％（同＋0.01％）である（加重平均）。また一時金については、各社とも基本的に12年3月期の業績見通しを反映した妥結額となっているが、13社の内訳は前年比プラスが3社、マイナスが4社、同額が3社。加重平均の妥結額は130万9,969円（前年比▲7,328円）で、月数にして4.34ヵ月（同▲0.07ヵ月）だった。

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ5/14号」より