王子製紙グループはこのほど、米子工場に「バイオリファイナリー効率的一体型連続工業プロセス」を導入し、木材に含まれるヘミセルロース、セルロースからバイオリファイナリー有価物を連続的に製造する先端技術について、その実証・評価を開始する。同事業は、経済産業省の「イノベーション拠点立地支援事業『先端技術実証・評価設備整備費等補助金』」の対象事業に採択されている。
ヘミセルロースを原料とするバイオリファイナリー有価物では、まず、石油精製の溶剤などに使用されているフルフラールの製造技術を実証・評価する。フルフラールは今後、バイオマス由来の各種化成品原料や次世代バイオプラスチック原料として期待されている。
セルロースを原料とするバイオリファイナリー有価物としては、溶解パルプの製造について実証・評価を行う。溶解パルプは上記によって得られた知見に基づき、ケミカル、医療などで使用される特殊用途分野を中心とした高付加価値品への市場参入を目指す。また一般レーヨン用途については、早期に製品化し販売を開始する方針。生産可能量は年間9万t、生産開始予定は2014年1月。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/21号」より