王子製紙と大林組は、王子製紙社有林の美瑛山林(北海道、3,152ha)で、地熱発電の共同調査を行うことに合意した。
地熱発電は、地下深部から供給される熱源により温められた熱水・蒸気を利用する発電方式。CO2の排出量が少なく、安定した発電量が得られる再生可能エネルギーとして注目されている。美瑛山林は国の調査により、エネルギー量の高い地熱貯留層があることが判明しており、両社の共同調査では重力・電磁探査などの地表調査を実施して地熱ポテンシャルを確認する。調査の結果、同地域が有望であると確認された場合は、事業化を視野に入れさらに調査を進めていく予定。
王子製紙は、グループ資源を活用した資源環境ビジネスの拡大を目指しており、発電事業はその大きな柱の一つ。すでにグループが保有する水力発電所や、各工場のバイオマスボイラーなどを活用した発電事業を行っている。北海道に所有する6ヵ所の水力発電所に約20億円を投資して更新するなど、事業強化も図っており、今回の共同調査もその一環。同社では、地熱以外に「バイオマス・太陽光・風力などの再生可能エネルギーを活用した発電事業についても拡大を図る」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/25号」より