1～6月期の紙・板紙需給（速報ベース）については本誌前号で取り上げているので、ここでは6月単月の需給実績を紹介する。
　日本製紙連合会の集計によれば6月の国内出荷は紙・板紙の合計で前年同月比▲3.5％の206.6万tと、前月の微増から減少に転じた。うち紙は▲2.6％の117.1万t、板紙は▲4.6％の89.5万tで、前者は3ヵ月連続、後者は2ヵ月ぶりの減少である。主要品種は新聞用紙と衛生用紙を除きマイナスだった。
　紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比＋13.4％の5.5万t。震災前の水準には遠く及ばないが、紙を中心に回復傾向を持続している。
　紙・板紙の在庫は前月比▲0.9万tの215.2万tとなり、3ヵ月ぶりに減少した。うち、紙は▲2.3万tの151.2万tと3ヵ月ぶりの減少だったが、対照的に板紙は＋1.4万tの64.1万tと3ヵ月連続で増加している。以下、主要品種の動向を眺めてみる。
〔新聞用紙〕国内出荷は前年同月比＋0.9％の26.4万t、伸び率は鈍化したが、5ヵ月連続のプラス。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は同▲4.4％の63.5万t。輸入の増加などから3ヵ月連続のマイナス。他方、メーカー輸出は＋22.3％の3.8万tと量的には低水準も、主力の塗工紙を中心に3ヵ月連続の増加となった。
〔包装用紙〕国内出荷は▲4.7％の6.4万tと9ヵ月連続で減少。石化製品向けの落ち込みが影響した。
〔衛生用紙〕国内出荷は＋2.4％の14.5万t。震災特需後の落ち込みが見られた前年の反動もあり、前月に続き増加している。
〔段ボール原紙〕国内出荷は▲4.5％の70.9万t。前月のプラスからマイナスに転じた。天候不順による青果物向けの不振や家電向けを中心に減少した。
〔白板紙〕▲5.2％の12.0万tと8ヵ月連続のマイナス。価格修正以降、前年割れの状態が続いており、輸入の増加もあって落ち幅は主要品種の中で最大となった。

株式会社　紙業タイムス社　「Ｆｕｔｕｒｅ8／20号」より