紙の博物館(東京・北区王子)は9月15日~11月25日、企画展「関義城コレクション~紙への情熱と探究~」を開催している。
関義城氏(せき・よしくに 1892~1979)は、三菱製紙入社後、同社役員や紙パルプ技術協会などの要職に就き、紙パルプ技術の向上と製紙業の発展に尽力した。紙の博物館との関わりも深く、館設立当初には副理事長、その後は名誉顧問を務めた。
関氏は長く洋紙業に従事しながら、和洋を問わず、広く紙関連資料の収集と研究に情熱を注いだ。とりわけ和紙に関するコレクションは膨大で、著作も数多い。そのコレクションは、紙関連の図書をはじめ古文書や記録類、現在は製造されていない貴重な和紙・洋紙、染紙や千代紙、金唐革紙などの加工紙、紙漉き図などの浮世絵、紙問屋などの広告類や商標、各種見本帳、製紙機械のカタログや図面、製紙原料と多岐にわたる。
企画展では、同館に寄贈された関義城コレクションの中から、関氏の生誕120周年を記念し、その一部を初公開している。11月3日(13:30~15:00)には、「関義城とそのコレクションについて」と題した講演会(講師:紙の博物館学芸部長・辻本直彦氏)も開催される(参加申込受付は10月2日から)。
【紙の博物館】▽東京都北区王子1-1-3 電03-3916-2320 http://www.papermuseum.jp/▽開館:10:00~17:00(最終入館16:30)▽休館:月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日▽入館料:大人 300円、小中高生 100円
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/1号」より