北越紀州製紙は9月14日、フランスのFINANCIERE BERNARD DUMAS S. A. S(以下、デュマ社)の全株式を取得した。
デュマ社は近年、ガラス繊維シート分野の専業メーカーとして事業を展開、また現在はガラス繊維を原料とした鉛蓄電池用セパレータおよび空気清浄用フィルターを製造販売している。特に鉛蓄電池用セパレータは、欧州を中心に高いシェアをを持つ。「ガラス繊維を原料とするシート」は両社共通の分野であり、両社の製品を合わせると世界シェア第2位のグループとなる。また、製造技術を相互活用することで、新たな技術開発の可能性にもつながる。北越紀州製紙は、特殊紙事業のグローバル化のため、今回の買収を決めた。
鉛蓄電池は、自動車用のみならずデータセンターや通信設備などの無停電装置や、太陽光・風力など再生可能エネルギーの蓄電設備用途に需要が世界的に拡大している。北越紀州製紙は、デュマ社を通じて欧州市場に参入すると同時に、デュマ社の技術やノウハウを活用して長岡工場で鉛蓄電池用セパレータを生産し、国内外へ販売展開していきたい考え。また空気清浄用フィルターについても、両社間の技術・ノウハウを共有していく。
なお、今回は特殊紙分野での先行的な取組みとなったが、北越紀州製紙としては今後も、全事業でグローバル展開を進めていく方針。
<デュマ社の概要>
〔所在地〕ドルドーニュ県クレッス
〔設立〕1924年
〔事業〕鉛蓄電池用セパレータおよび空気清浄用フィルターの製造・販売
〔従業員〕55名(2011年12月末)
〔直近の業績〕10年売上高1,661万8,000ユーロ(16億6,000万円)、11年売上高1,709万2,000ユーロ(17億1,000万円)
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/22号」より